九星気学 運勢を簡単に読み解く方法
年運や月運を受身的に知るよりも、年盤や月盤の状態を視覚的に理解することで運氣を捉える力が身に付きます。
普遍的な象意から本質を見出すことで、事象に振り回されない生き方が可能になります。
開運へ繋がる「遁甲盤の基本的な読み解き方」九星気学の気急知識を一部紹介します。
目次
本命星が回座する宮とは
九星は決められた順に遁甲盤を運行します。
その際に「ある宮」に入る状態を「回座」と呼びます。
知りたい時期の運気を知るには、まず始めに「本命星が入る宮」をチェックします。
年盤では一年間ある宮に本命星が回座し、月盤なら一ヵ月、日盤なら一日です。
その期間中に過ごす宮に入る状態を「○宮回座」といいます。
例えば、南東に本命星が入ると「巽宮回座」といい、北なら「坎宮回座」です。
後天定位盤について
九星気学では九つの宮にはそれぞれ「担当する九星」が定まっており、それを表す盤を「後天定位盤」と言います。
下記の図は後天定位盤で、必ず「基本」となる後天定位盤が潜在的に存在しています。
本命星が回座した宮を定位置とする九星の象意から活動エネルギーや運氣を得ます。
年運や月運などの様々なタイミングを読み解く際には、必ず一番下に後天定位盤があります。(下記図参照)
後天定位盤から得る象意は運氣のベースとなります。
年運を読み解く場合は、後天定位盤の上に年盤を重ねて「年運」を観ます。
月運の場合は、年盤の上に月盤を重ねて「月運」を観ます。
日運の場合は、月盤の上に日盤を重ねて「日運」を観ます。
ただ、この段階では基本中の基本で運気のベース部分だけですので、さらに「同会と被同会」を用いて具体的な事象を読み解きます。
同会と被同会について
月運を読み解く場合は、年盤の上に月盤を重ねて、その月の運勢を読み解きます。
同会とは
具体的に2025年7月の四緑木星の月盤を用いて説明します。
月盤上の本命星は震宮に回座し、年盤の震宮で回座している九紫火星の上に乗る状態を「震宮回座の九紫同会」と言います。
つまり、二つの盤を重ねて同じ宮で、ある九星の上に乗る状態で会うことを「同会」と言います。
同会で得る象意は自発的な出来事や本命星に置かれる環境などを表し、その期間中に最も適した「気構えや課題」を実践することで開運に繋がります。
被同会とは
上記図では年盤の兌宮(西)に本命星(四緑木星)が回座しています。(兌宮回座)
その年盤の上に月盤を重ねて観ると、月盤の兌宮に八白土星が巡り本命星の上に被ります。
この状態を「八白被同会」となります。
つまり、巡ってきた九星が本命星の上に「被る状態」を「被同会」といいます。
被同会で得る象意は、吉凶に関わらず対外的に持ち込まれて「九星の象意を被る」ことになるので他動的事象を示します。
まとめると、本命星が回座する宮で同会する九星の象意から自発的事象を得て、本命星の上に被る九星の象意から他動的な事象を得ます。
暗剣殺について
人間はリスクや危険に関しては敏感に反応する「危機回避本能」があり、運勢においても例外なく「凶殺」には強く反応する傾向があります。
九星気学では「五黄殺」と「暗剣殺」は二大凶殺ともいえる存在です。
なので「暗剣殺」が巡る年月は過剰に反応する傾向があるように思われます。
しかし「暗剣殺」を意識しすぎると自らで自己成長に制限を掛けて、かえってネガティブな自己成就予言の現象が現れるかもしれません。
そもそも暗剣殺は年運なら9年に一度巡り、月運なら9ヵ月ごと、日運なら9日ごとに巡る現象です。
暗剣殺のもとになるのは、本命星の真向かいに巡る五黄土星から生じる「破壊と腐敗」のエネルギーを得ることで生じる事象です。
暗剣殺は他動的な事柄が持ち込まれてトラブルに巻き込まれるような事象です。
注意して頂きたいことは、五黄土星生まれの人物が問題を持ち込むわけではなく「五黄象意」の現象のことです。
突発的に起こる事象においては、やはり右往左往して状況に振り回されるかもしれませんが…
本質をしっかり捉えて、建設的に取り組むことで「自己成長の強化」に繋がります。
まずは、感情に支配されないこと、それと他責思考に陥らないことが重要になります。
他動的な事柄で問題が発生するので『自分は悪くない!』と、思う気持ちは100%理解できますが…
しかし、他者を変えるよりも「自己の対応力強化」を用いて事に当たる方が開運に向かいます。
暗剣殺は直接本命星に付く場合だけでなく、暗剣殺が付く九星の上に本命星が乗る「暗剣同会」と、暗剣殺が付く九星が本命星の上に被る「暗剣被同会」の状態でも間接的に影響を受ける場合があります。
九星気学 九星の象意
各九星には、自然現象や事象などの表す象徴的な事柄を総じて「象意」といいます。
本命星が回座する宮から得る象意だけでなく、同会や被同会などで得る象意を用いて運勢を読み解きます。
ここからは、各九星の基本的な象意を紹介します。
一白水星の基本象意
定位置方位…北、宮…坎宮(☵)、五行…水、十干…壬・癸、十二支…子、季節…冬(12月)
ロケーション…北方、河川、湖、泉、湿地、地下室、穴
人物象意…中年男性、部下、子ども、病人、妊婦
身体的象意…腎臓、耳、血液、リンパ、ホルモン、泌尿器、生殖器
雑象…物事の始まり、苦悩、忍耐、思考、孤独、浸透、流動性、溺れる、煩悩、秘密、不倫、色情、睡眠
二黒土星の基本象意
定位置方位…南西、宮…坤宮(☷)、五行…土、十干…なし、十二支…未・申、季節…晩夏~初秋(7・8月)
ロケーション…平地、田園、空き地、郊外、下町、出生地
人物象意…母、妻、大衆、労働者、従業員、農業従事者
身体的象意…血、肉、脂肪、食道、胃腸、脾臓、皮膚
雑象…努力、堅実、柔順、温和、慈悲、包容力、無気力、準備、技術、労働、勤勉、怠惰、育成、古い問題、迷う、遅い
三碧木星の基本象意
定位置方位…東、宮…震宮(☳)、五行…木、十干…甲・乙、十二支…卯、季節…春(3月)
ロケーション…震源地、発電所、騒がしい所、放送局、出入り口
人物象意…長男、青年、学生、著名人、講演者、ノリの良い人
身体的象意…神経、筋、肝臓、胆のう、舌、咽頭、声帯
雑象…雷、奮励、音、顕現、発奮、発展、意欲、躍動、震動、猛進、決断、勇気、新規、自己主張、主観、軽率、競争、論争、驚動
四緑木星の基本象意
定位置方位…南東、宮…巽宮(☴)、五行…木、十干…なし、十二支…辰・巳、季節…晩春~初夏(4・5月)
ロケーション…道路、線路、草原、空港、港、駅、郵便局、旅行代理店、結婚相談所、玄関
人物象意…長女、婦人、商人、外交官、仲介人、集配人
身体的象意…肝臓、呼吸器、食道、腸、神経、毛髪、体臭
雑象…風、出入り、発展、繁盛、調う、外交、交際、結婚、縁談、見合い、評判、信用、人望、仲介、長い、遠方、広告宣伝、物流、貿易、均衡、調和、優柔不断、不調、解散
五黄土星の基本象意
定位置方位…中央、宮…中宮、五行…土、十干…戊・己、十二支…なし、季節…四季の土用
ロケーション…荒野、戦場、墓地、ごみ処理場、汚染地、被災地、事故現場、公害発生地、廃墟化した場所
人物象意…帝王、首相、中心人物、野蛮な人
身体的象意…五臓六腑、身体全体とくに脾臓・大腸
雑象…中心、支配、破壊、爆発、腐敗、戦争、毒物、中毒、天変地異、パニック、葬式、自滅、古い問題、再発、古物を扱う
六白金星の基本象意
定位置方位…北西、宮…乾宮(☰)、五行…金、十干…なし、十二支…戌・亥、季節…晩秋~初冬(10・11月)
ロケーション…神社仏閣、官庁街、繁華な地、高級住宅街、貴金属店・ブランドショップ
人物象意…天皇、大統領、会長、社長、権威者、支配者、指導者
身体的象意…頭、首、心臓、骨、血圧
雑象…天、宇宙、剛健、完全、完成、公事、統率、権力、威厳、寛容、神仏、信仰、高級、円、勝負、決断、充実、超過、過剰、乗り物
七赤金星の基本象意
定位置方位…西、宮…兌宮(☱)、五行…金、十干…庚・辛、十二支…酉、季節…秋(9月)
ロケーション…沢、窪地、水たまり、銀行、歓楽街、遊技場、飲食街、酒場、演芸場、養鶏場
人物象意…少女、愛人、芸能人、舞子、講演者、弁護士、歯科医、外科医、料理人
身体的象意…頬、口、歯、舌、咽頭、胸部、陰部
雑象…悦び、趣味、贅沢、酒、宴会、社交、交際、誘惑、親密、結婚、飲食、現金、金利、消費、商売、口論、不足、不便
八白土星の基本象意
定位置方位…北東、宮…艮宮(☶)、五行…土、十干…なし、十二支…丑・寅、季節…晩冬~初春(1・2月)
ロケーション…山、高台、山小屋、旅館、休憩所、停留所、踏切、ターミナル、神社仏閣
人物象意…少年、兄弟、親類縁者、相続人、養子、太った人、神主、僧侶、蓄財家
身体的象意…鼻、背中、腰、関節、身体全体
雑象…山、静止、高尚、変化、保守、停滞、閉塞、不動、蓄財、再起、復活、相続、継目、改修、組み立て、強引、組織
九紫火星の基本象意
定位置方位…南、宮…離宮(☲)、五行…火、十干…丙・丁、十二支…午、季節…夏(6月)
ロケーション…図書館、美術館、官庁街、裁判所、美容院、薬局、書店、映画館
人物象意…中年女性、学者、文化人、芸術家、容姿端麗な人、感情的な人
身体的象意…脳、頭部、眼、心臓、乳房、血液、神経
雑象…光、太陽、美麗、目立つ、先見の明、頭脳明晰、学問芸術、露見、最高位、精神性、分離、離合集散、訴訟、手離す、感情、喧嘩
現実面に作用する十二支(地支)
九星気学では「陰陽観」「五行観」そして「三才観」を土台にした見方をするのですが、そのうちの「三才観」の「天・地・人」の「地」を担当するのが十二支(地支)です。
地支は方位や時間を表し、地上で現実的に起こり得る事柄に作用します。
凶殺として扱われている「歳破・月破・日破」の「破壊殺」について
破壊殺は、その年の干支の十二支(太歳)と向かい合う十二支、月盤なら月建と向かい合う十二支、日盤なら日建と向かい合う十二支に付きます。
2025年 乙巳なら「巳」の真向かいとなる「亥」に歳破が付きます。
このように「破壊殺」は十二支に付くので、九星で生じる現象ではありません。
しかし、各宮に含まれる十二支に付いた「破壊殺」と同じ宮に回座する九星に影響が現れると言われています。(中宮には十二支はありません)
とは言え…運勢としては、本人の生年月日で得る十二支に付く「破壊」によって生じる作用の方が顕著かもしれません。
具体的な事象は文字通り「破る・壊れる」といった事象で「物事がまとまらない事象」を表します。
ネガティブな事象に焦点を当てると「凶象意」しかないのですが…
しかし、壊れることでイノベーションや刷新が促され、壊れることで物事が進みだすような事象が出現します。
ハードな刺激がトリガーになるので一見ネガティブに感じる事象であっても、捉え方次第では「雨降って地固まる」ような結果が得られることもあります。
発展拡大を促す「三合」とは
本年に巡る十二支は木星の精とされる「太歳」が付き、その十二支を起点にして同じ五行の資質を潜在的に持つ十二支と繋がり、強力な五行をつくります。
2025年は「巳年」なので、「巳・酉・丑」の三支で三合金局となり「金」が担う物質的豊かさが広がります。
「巳・酉・丑」の三支を通して同会する九星に作用するので、太歳(巳)の恩恵は一白水星が得て、旺盛な広がりを担う大三合(酉)の作用は四緑木星が得て、広がりを納める三合(丑)は五黄土星が得ます。
ただし、何事も発展拡大させる作用が生じるので、例えば金銭トラブルの問題であっても発展と拡大の作用が生じます。
なので「発展と拡大作用は吉象意」とは一概に言えません。
また、三合においても本人の生年月日で得る十二支に作用する方が強く現れる傾向があります。
2025年の年盤では、酉年5月生まれの四緑木星の方は月命星が五黄土星で巽宮傾斜なので、2025年に最も三合金局の恩恵に加えて、恵方の光を浴びる運氣を得ます。
運勢を読み解くためのポイントは他にも傾斜宮や同会星、易経を用いる方法がありますが…
今回は、ここまでとさせて頂きます。